食料危機対策ch

~家庭における食料危機対策支援ブログ~

本ブログの利用法について

みなさん、こんにちは。
本ブログは、みなさんに食料危機対策の必要性をご理解いただき、その上で本ブログ情報を参考にライフスタイルとして食料危機対策を実践いただくというものになります。以下、利用法などについて説明します。

・「食料危機」とは
まず、説明に入る前に本ブログのタイトルにもある「食料危機」の意味を確認しましょう。

「食料危機」とは、字句通りにいえば食料不足により危機的状況になることだといえます。「食料」は穀物・肉・魚介類・野菜など食料全般のことになります。主食となる穀物を指す「食糧」とは使い分けされています。

「危機」の状況については、統一的な定義がある訳ではありませんが、日本においては、農林水産省が「緊急事態食料安全保障指針」(2021年7月1日一部改正)で設定している最も深刻度の高い緊急時のレベル2の判定基準の目安となる1人1日当たり供給熱量2,000kcalを下回る場合が、危機的な状況の目安となるでしょう。これは、現状から概ね2割減少した水準となります*1

同指針では、深刻な食料不足が解消された昭和20年代後半の供給熱量の実績を踏まえ、それだけの供給熱量があれば、国民生活または国民経済に著しい支障が生じることはないことをその根拠としています。

なお、同指針の供給熱量2,000kcalは日本人の平均値です。しかし、必要となる熱量は年齢・性別など個人により異なりますので、参考として、以下に「「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書」*2による推定エネルギー必要量をあげておきます。

■推定エネルギー必要量(kcal/日)

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会作成*2

・食料危機対策の手法
食料危機対策は、リスクマネジメントの一種とも捉えることができます。リスクとは被害の程度や可能性であり、リスクマネジメントとは「リスクを組織的に管理(マネジメント)し、損失等の回避又は低減を図るプロセス」をいいます*3

リスクマネジメントは、一般的には政府や企業など組織で利用されますが、家庭における食料危機対策においてもその手法を応用することは可能です。本ブログでは、このリスクマネジメントの手法を参考にして、情報提供をするものです。

・構成
本ブログの構成は、主に「食料危機対策の必要性」と「食料危機対策」の二つのカテゴリーに分かれます。「食料危機対策の必要性」と「食料危機対策」は、リスクマネジメントにおいては、それぞれ「リスクアセスメント(リスクの特定・分析・評価をするプロセス)」と「リスク対策」に相当します。

「食料危機対策の必要性」では、まず現状把握として日本の食料自給率、政府による食料危機対策、民間企業の在庫状況を分析し、日本の食料危機に対する脆弱性を明らかにします。次いで、食料危機発生の原因となる可能性の高い2つの事象、有事と大規模自然災害(地震・噴火など)の影響について考察します。

リスクアセスメントにおいてはリスクの特定が重要となります。リスクを適切に特定できなければ、その後の分析、評価、さらに対策も適切に行うことはできないからです。リスクの規模や切迫性の理解は、食料危機対策の実践の決断にも関わってきます。そこで、「食料危機対策の必要性」では食料危機発生の原因について特に説明を増やし、具体的に掘り下げて解説します。

「食料危機対策」では、特定されたリスクを踏まえて家庭における食料危機対策について実践的な情報を提供していきます。内容としては、家庭菜園、食料備蓄、食べられる山野草、献立、調理用エネルギーなどを予定しています。対策分野ごとにタグを付けますので、興味のある分野から読んでいただくことで事典のような利用も可能です。

各記事の終わりに「参考文献」を掲載しています。できるだけ入手が容易な文献を掲載していますので、さらに理解されたい方はぜひ利用ください。

・対策の実践
対策の実践は、みなさん自身でしていただくことになります。対策は危機発生後に初めて行うことはではなく、危機発生前からライフスタイルとして日常的に実践いただき、危機の低減・回避などを図っていくことが基本となります。

また、日常的な実践の中で対策の効果を検証し、改善していくことも重要です。季節毎に食事に使う食材や燃料をすべて家庭菜園や備蓄で賄ってみると、不足や不効率な部分がみえてくるはずです。

本ブログの情報はあくまでも参考です。みなさん自身の状況に合わせて本ブロクの情報を応用し、必要な対策を行っていただければ幸いです。


【参考文献】
*1 農林水産省(2021) 「緊急事態食料安全保障指針」, 13-14頁,
  https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/attach/pdf/shishin-16.pdf
  (アクセス日2024年1月8日)
*2 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準」策定検討会(2019) 「「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書」, 参考表2, 84頁,
  https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
  (アクセス日2024年1月8日)
*3 中小企業庁(2016) 「中小企業白書(2016年版)」, 225頁
  https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H28/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap4_web.pdf
  (アクセス日2024年1月8日)